1. 新しい曲の「鮮度」と歌い継がれる楽曲 この作品の選曲にはかなりこだわりました。 新しいヒット楽曲の多くはリリース直後こそ話題性が高いものの、1年後、2年後には「去年流行った曲」「少し古い曲」と感じられることや、次第に忘れられていくものがあります。 しかし、10年、20年後にも聴き継がれている楽曲には、親から子へ、またはさらにその次へと世代を超えて愛される楽曲もあるなど、時を経ても色褪せない魅力があることがしばしば語られます。 今回の作品『JAZZで聴きたい J-POPラブソング』の選曲では、そのような時を経ても色褪せない魅力を持つ楽曲に注目し、1990年代、2000年代、2010年代と幅広い時代の名曲・人気曲を網羅しました。 たとえば、DREAMS COME TRUE(ドリカム)や山下達郎、竹内まりやといったアーティストの楽曲は、世代を超えて親しまれ、今でもカラオケなどで歌い継がれている楽曲が沢山あります。 楽曲が発表された当時にリアルタイムで聴いていなかった若い世代でも、TVやSNS、若手アーティスらによるカヴァーなどを通じてそれらの名曲に触れる機会は多く、結果として「古さ」を感じさせません。 2. J-POPの歴史とスタンダードナンバー – 歌謡曲からJ-POPへ 日本の音楽は歌謡曲から、それらと共存するかたちで洋楽の影響を受けた1960年代からのフォーク、1970年代からのニューミュージックのムーヴメントを経て、洋楽の要素を摂り入れながらもより日本独自のサウンドによるJ-POPへと進化し、その歴史の中で数々の名曲が生まれ、世代を超えて歌い継がれてきました。 「スタンダードナンバー」とは、時代や流行に左右されず多くの人々の心に残り続け、様々なキッカケから新しい世代にも浸透していき、いつの日か自然発生的にそう呼ばれるようになるものです。 本作ではそうした「スタンダードナンバー」と既に呼ばれるような楽曲から、この先も聴き継がれていくであろう「スタンダードナンバー」になりうる楽曲を意識して選び、作品全体が時を超えて聴き継がれるよう、楽曲の持つ普遍的な魅力を最大限に引き出すことを目指しました。 3. ジャズアレンジのこだわり – 歌のメロディーを大切に 今回の作品では、Moonlight Jazz...
あなたは、自分の脈に触れたことがありますか? その方法を簡単に伝授しましょう。左手首の親指側にある橈骨動脈の脈拍動を探してください。そして右手の第2,3,4指の3つの指先で、右図のように触れてみてくれますか? 私は内科医なので微妙な感覚がわかります。第2指で若干押し込んだ際に、3,4指で触れる拍動の度合いで、おおむね血圧がわかるのです。 1. 心理状態を示す3つの脈拍パターン ~心拍の 揺らぎが示す リラックス~ ここで簡単な実験を。まず、ゆっくりと大きく息を吸い込んでみてください。そのとき、脈拍リズムの速さの変化はどうですか? 次にゆっくりと息を吐いていきます。その際、脈拍の変化を観察してください。 息を大きく吸い込むと、心臓の右心房の圧力がマイナスになり、全身からの多くの血液が心臓に還ってきます。そのため、少し早いタイミングで心臓は全身へ血液を送り出すことに。息を吐いたときはその逆です。 大切なポイントは「揺らぎ」。 ほぼ規則的なリズムですが、若干不安定で不規則性がみられます。実は、この「揺らぎ」が人間にとって癒やしのリズムとなるのです。 「なるほど、わかった、ガッテン!」というだけではちょっと不十分。医学研究には、何かの因子を測定して数値として記録し比較しなければなりません。 心拍リズムのゆらぎが示す3つのパターン 心臓が収縮するのは電気が流れているためで、心電図の波形を示しましょう。 最も波が高いR波の先端同士の間隔を100個調べて解析すると、 3つのパターンがみられます。 1. 健常者:心拍リズムは若干速くなったり遅くなったり、適度な「揺らぎ」がある。 2. 糖尿病患者:神経の働きが落ちている人は微妙な調節ができず、「揺らぎ」が少ない。 3. リラックスした人:副交感神経が優位に働くため「揺らぎ」が大きい。 ...
1. 深煎りコーヒーの魅力と難しさ 日本人にとって、深煎りコーヒーは喫茶店文化を筆頭に缶コーヒーからコンビニコーヒーに至るまで、長年親しまれてきた味わいです。美味しい深煎りはしっかりとしたボディ感、香ばしいアロマ、そして心地よい苦味が特徴的で、浅煎りや中煎りと比べると多くの人が「コーヒーらしい味わい」として好む傾向にあります。 しかし、その一方で、深煎りは美味しく淹れるのが非常に難しいという一面もあります。抽出がうまくいかないと、ドリップコーヒーでも過度に濃くなり、ネガティブな苦味や雑味が強調されてしまい、リラックスするには程遠い飲み口になってしまうことがあります。 前提知識として、深煎りの定義というのは実は曖昧です。大まかにはコーヒーの焙煎度合いのことになりますが、焙煎機や手法によって同じ温度で焙煎してもどの程度の「焙煎度合い」になるかは変わってきますので「何度以上、何分以上で焙煎したものを深煎りと呼ぶ」のような定義は難しいです。昨今では焙煎豆の色を数値化する機械も流通が増え、そのカラーチャートを元に焙煎度合いを数値化することもあります(アグトロン値と呼ばれます)が、多くのバリスタや焙煎士の方はまだ知らない状況です。 2. 美味しい深煎りコーヒーとは? 本当に美味しい深煎りコーヒーは、砂糖やミルクを加えなくても、香ばしく、余韻の長いアロマとソフトで滑らかな口当たりを楽しむことができます。浅煎りのコーヒーと比べるとボディー感や苦味が特徴なので、ミルク負けしづらく、カフェラテやカフェオレにも適しているコーヒー豆の種類となります。そういった理由から、コーヒーの抽出技術に自信がない方でミルクビバレッジを作りたい方は、まずは深煎りを選ぶことをおすすめします。一方でエイジング(焙煎後の保管期間)を取りすぎたり、品質の悪さを誤魔化すために豆を焦がすような手法の深煎りの焙煎をしたコーヒー豆は市場に多く出回っています。同じ深煎りでも全く美味しい苦味やコクのある深煎りではありませんので注意が必要です。 3. 素材選びが成功のカギ 美味しい深煎りを淹れるためには、まず素材選びが非常に重要です。 ● 焙煎後のガスの管理深煎りの豆は焙煎時間が長い傾向にあります。そのため豆の内側にガスが多く閉じ込められます。焙煎直後に抽出するとガスがフレーバーやアロマを阻害して、本来のおいしさを感じ辛くなります。飲み頃:焙煎後3日目~10日前後が最も味が安定し、深煎り特有の甘さや香ばしさを楽しめるタイミングです。 ● 新鮮さも大切時間が経ちすぎると、浅煎りに比べて焙煎工程で熱エネルギーを多くかけているため、細胞が脆く、風味が抜けやすい傾向にあります。購入時には焙煎日を確認しましょう。 ● Natural Processの豆を選ぶ深煎り豆は産地に関わらず、焙煎由来の苦味が共通して現れます。しかし、よりリラックスできるアロマを感じたいなら、ナチュラルプロセスの豆を選ぶと良いでしょう。ナチュラルプロセスは果実の風味が残りやすく、深煎りでもほのかな甘さや豊かな香りが引き立ちます。 4. 深煎りコーヒーを美味しく淹れるおすすめレシピ 深煎りコーヒーの良い特徴を引き出し、濃すぎず、それでいてボディ感をしっかり感じられる淹れ方をご紹介します。 ☕ おすすめレシピ ● 豆とお湯の比率:1:16(豆1gに対してお湯16ml) ...
秋~冬は、自律神経不調によって不眠に陥りやすい季節です。 睡眠のことで悩まれている方も多いのではないでしょうか。 今回のテーマは、睡眠薬の種類と効果・副作用についてです。 睡眠薬について知り、より良い眠りに役立ててください。 地球温暖化のため、以前とは、自然界の変化も違ってきていますね。 かつて、秋は作物の収穫の時期であり、仕事が一段落して人々は収穫祭とか、いろいろなお祭りを楽しみにしていました。 そこには、必ず音楽や踊りがあり、1年を通して、生活のリズムがあったことでしょう。 近年は日本にも欧米の文化が紹介され、10月終わりはハロウィーン、12月に入るとクリスマスのシーズンとなり、街角にはポップな音楽が流れたりしていますね。 実は、かつて12月の下旬は冬至があり、その時期にお祭りがあり、年末年始の2週間をクリスマスシーズンとされていたこともありました。 ヘンデルが作曲した「ハレルヤ」コーラスもこの時期に歌われていたのです。 1. 睡眠薬「ハルシオン」― 名前の由来はギリシャ神話!? ●Halcyon(ハルシオン) Halcyon ― 風や波を静めて、穏やかな海にする不思議なパワーを有する古代ギリシャの伝説の鳥です。 この鳥Halcyon(ハルシオン)の名前から、睡眠導入剤で知られるハルシオン(Halcion)が命名されているのです。 まず、皆さまがイメージを捉えやすいように、目に見える鳥を紹介しましょう。 上の写真はかわせみです。 漢字で翡翠とも書かれるように「清流の宝石」とも呼ばれています。 次の章で、ハルシオンを含む代表的な睡眠薬の種類を見ていきましょう。 ...
本作『医学博士監修 眠りのハープ&チェロ』は、「音楽を通じて人の身体と心にポジティブな影響を与える」というテーマを掲げ、医学博士の板東浩先生監修のもと企画されました。 1. 音楽と科学の融合 – 医学博士監修作品による新たな音楽体験 板東浩先生は専門領域はアンチエイジングのほか、音楽療法やスポーツ医学などを専門にされています。その板東先生と、この作品の企画の中で特に注目したのは「眠り」に関する音楽の効果です。 人間の身体は約6〜7割が水分で構成されており、音の振動を敏感に感じるのですが、落ち着いた演奏など心地よい揺らぎを含む音楽が空気の振動として伝わることで身体全体が共鳴し、深いリラックス状態へ導いてくれます。 その身体の特性に作用する楽器として、この作品では「開放弦」を持つ楽器であるハープとチェロを取り上げました。 演奏時の ”開放弦” とは、指で弦を押さえずに音を出すことなのですが、つまり弦が留められている端から端までの最も長い状態で弦が振動する状態になります。 開放弦は弦の振幅が大きいために、他のどの音よりも豊かな響きが得られ、他の弦を弾いた音が開放弦と同音やその倍音関係にある場合、共振して響く効果も大きくなります。 弦同士が自然に響き合って生まれる豊かな共鳴効果は、耳だけでなく身体全体で感じ取られ、脳内にリラックス効果をもたらします。 古くから「癒やしの楽器」として親しまれてきた理由は、こうして科学的にも裏付けられています。 2. シンプルな編成が生む、深い音の響き このアルバムの大きな特徴は、シンプルな編成にあります。 オーケストラのような大規模な音の重なりではなく、ハープやチェロ、時にはピアノ伴奏だけのシンプルな構成で楽曲が演奏されています。シンプルな編成にすることで、各楽器の響きがよりクリアに伝わり、共鳴の効果を最大限に引き出すことができるのです。 また、弦楽器の音は立ち上がりがシャープで聴き取りやすく、そのあと減衰しますが、減衰し静かに消えてゆく音を聴くことで、ゆったりと落ち着いた気持ちへ導いてくれます。 例えば、モーツァルトやドビュッシーなどの名曲も、ハープ1台、ハープ2台、チェロとピアノといったシンプルな形で演奏されることで、各楽器の響きが伝わりやすくなっており、楽器のもつ癒やしの特性を十分に詰め込んだアルバムになっています。 3. 環境音を整える音楽 – ノイズキャンセリング効果 ハープやチェロの音色は、自然で耳に優しいだけでなく、周囲の余分な雑音や耳障りなノイズをかき消し、心地よい「音の空間」を作り出します。単に音楽を楽しむというだけではなく、いわば「ノイズキャンセリング効果」のようなことも期待できます。...
音楽によるアンチエイジング – 脳と心に働きかける楽器の力 癒やしのレーベル CROIX HEALING おすすめの音楽作品『医学博士監修 アンチエイジング・クラシックス』をご紹介いたします。 本作は、音楽を通じて脳を活性化し、心身の老化を防ぐことを目的に企画した作品で、監修に音楽療法士であり抗加齢医学(アンチエイジング)も専門とされる医学博士の板東浩先生にご協力頂き、制作しました。 クラシックの名曲を題材に、チェロ と ハープ の音色を中心に ピアノ も取り入れ、全18曲を収録した作品です。 本作で演奏される、チェロ、ハープ、ピアノの3つの楽器は、それぞれ異なる特性を持ち、脳に与える刺激も異なるのですが、その点からお話ししましょう。 ● チェロ:低音域と深い音圧が左脳を刺激し、論理的思考や集中力に影響を与えます。 ● ハープ:高音域の繊細な音が右脳を刺激し、感情の安定やリラクゼーション効果をもたらします。 ● ピアノ:幅広い音域と音圧、そして打鍵による調整が可能なため、右脳と左脳の両方をバランスよく刺激し、脳全体を活性化することができます。 この3つの楽器が組み合わさることで、脳のさまざまな部位に同時に働きかけ、包括的なアンチエイジング効果を引き出すことが可能になりました。 ...