手軽にストレスを解消できる方法として、「ハンドドリップでコーヒーを淹れる習慣」をルーティンに取り入れてみるのはいかがでしょうか。エスプレッソでもなく、便利な全自動ドリップマシンでもなく、クラシックなこの方法が、驚くほど効果的なリラクゼーションタイムをもたらしてくれますよ。 生活リズムを整えるためのルーティン 毎日決まった時間にコーヒーを淹れて飲む、そうして夫婦やパートナー間のコミュニケーションの時間を自然にセットアップする方々もいます。 わざと手間のかかるハンドドリップを朝イチのタスクにすることで、一日のスタートを丁寧に切るスイッチにしているビジネスマンも増えました。 「美味しい1杯を飲む」だけを目的とせず、体内時計を整わせることができますね。 朝はどうしても時間のない方、夜間はカフェインの入っていないデカフェのコーヒーを選べば、カフェインによる覚醒を気にせずにリラックスタイムを楽しむことが可能です。 近年はデカフェの処理方法も、「単純にカフェインを抜くこと」を目的とせず、処理後の味わいも楽しめるように様々な工夫がされ、美味しいデカフェコーヒーが急増しています。 日本の市場にはカフェインの水溶性の性質を利用した、「ウォータープロセス」という方法が多く取り入れられています。 五感を使ったリラクゼーション 一見面倒に感じるハンドドリップ抽出ですが、こだわりを持って、丁寧にコーヒーを淹れることは、飲む前からその行為自体がリラクゼーション効果につながります。 豆を挽くときの「ガリガリ」と心地よい音、ドリップサーバー内に「ボトボト」滴る琥珀色の雫の音、そしてコーヒーベッドから出る湯気の「揺らぎ」――これらは、自宅にいながらにして自然のリズムを感じることがでる最も簡単な方法かもしれません。 特にハンドドリップの場合、一貫した注湯が大切で、集中力が必要となります。 必然的に忙しい日常の中に「静」の時間を作り出すことができますね。 昨今は機能性も兼ね備えたおしゃれなドリッパーも増えてきていますので、お部屋のインテリアにあったスタイルの器具を選ぶのも楽しみの一つです。 ドリップコーヒーを淹れる朝におすすめのアルバムはこちら 手を動かし、頭を働かせる時間 便利な時代になり、プロのバリスタでもコンビニのコーヒーやインスタントコーヒーも美味しいと認める時代になりました。某コンビニチェーンではハンドドリップの世界チャンピオン監修のカフェオレやドリップマシンでのコーヒーが200円以下で飲めます。 しかし、自分で豆を挽き、一杯を淹れる体験はそれとは異なる価値があります。 レシピを意識して、淹れ方に集中することで、程よく頭を働かせることができ、簡単に小さな達成感を得られます。 ほんの5分間の「マインドフルネス」のような時間を日常に取り入れることができますね。 もし失敗してしまっても、レシピを毎回メモしておいてください。...
「RELAX WORLD MUSIC」は、日常のさまざまなシーンで活用できる音楽アプリです。今回は選曲を行なっており毎日アプリも利用しているという担当者におすすめの機能や効果的な使用方法を話してもらいました。 取材:RELAX WORLD 編集部 担当者選曲のおすすめアルバム(期間限定コンテンツ) 期間限定コンテンツの選曲 - 毎月新しく投入される期間限定コンテンツはどのように選曲していますか? RELAX WORLD MUSIC アプリは“癒やしと眠り”をテーマに「眠れるサウンド」「医学博士・専門家監修」「ストレス解消」など現在は13のカテゴリーに分けて様々な音楽を配信しています。 それらの定番コンテンツとは別に、季節に応じた音楽など毎月配信していて、現在配信中の「秋の瞑想」では秋ならではの虫の音色が入ったヒーリングミュージックを皆さんに楽しんでいただきたくて、音源をピックアップしプレイリストを作りました。 広大な自然の中で虫の声に包まれながら瞑想しているような、そんな気分になれる音楽を詰め込んでいます。心を落ち着け、集中力を高められるように、静かなメロディーと穏やかなリズム、水の流れる音、そして癒やしの音色が組み合わさっているものをセレクトしています。 この音楽が、皆さんの内なる平穏を見つけるお手伝いになり、日常のストレスを和らげるひとときを提供できたらと願って選曲しました💛 アプリの利用場面 - ご自身も毎日「RELAX WORLD MUSIC」アプリを利用しているということですが、どのような場面での使用が多いですか? 家事をするときのスイッチの切り替えによく利用しています! テンポも様々な曲が揃っているのでアクティブな音楽を聴きながら「このアルバムが終わるまでにタスクを片付けよう!」みたいに始めると捗りますね。 あまり知られていないのですが、良質な睡眠をとるには寝る直前のアクティビティーだけでなく、日中にいかに身体を動かしているかということも大いに関係します。...
12月はクリスマス・シーズンです。 街角には快活な音楽が流れ、心がウキウキしてきませんか? もともと、クリスマスの起源には、収穫祭や豊饒祭という一面も。 ちょうど冬至の頃に太陽のパワーが最小となり、今から復活していく時期なので、復活祭という意味合いも含まれていたようです。 クリスマス音楽の歴史 音楽の面から、古くはヘンデル作曲「メサイヤ」(救世主の意)のハレルヤ(歓喜・感謝の意)・コーラスが知られます。 2時間半もかかる大作をわずか3週間で完成させ、1~2週間にわたり演奏されていたようです。音楽を聴きながら、祈りを捧げ、心身を癒やしていたのでしょう。 一方、現代では、よく聞こえてくるクリスマス・キャロルとして、ジングル・ベルやホワイト・クリスマス、赤鼻のトナカイなどが代表的です。 いずれも旋律がシンプルで覚えやすく、和音も長調が続いて明るい雰囲気なのが特徴といえます。 中でも、子供の頃から慣れ親しんでいる曲が「きよしこのよる」、つまり「Silent night, Holy night」ですね。 癒やしの言葉~"Holy" Night 実は、神聖な holy という単語から、皆さまがご存じの言葉が生まれてきました。 心と身体を癒やす heal、健康 health、病院 hospital、病人を世話した宿泊所 hospice、旅人が泊まるホテル hotel などが挙げられます。 また、紀元前600年頃には、Hotel Du(オテル・デュ)という病人をケアする施設もみられました。さらに、hospitality(おもてなし)にまで派生したのです。...
自然界のさまざまな音や、ある種の音楽などに含まれる「1/fゆらぎ」。 近年、そのリラクゼーション効果に注目が集まっています。 当コラムでは、1/fゆらぎの癒やしのメカニズムと、1/fゆらぎが含まれる音楽についてご紹介します。 1. 森羅万象に含まれる「ゆらぎ」 ~宇宙から脈拍まで~ さて、今回のテーマは「ゆらぎ(揺らぎ)」です。 大宇宙では、惑星の動きや光、電磁波の動きはおおむね計算できます。 しかし、太陽の黒点の出現のように、予測が難しい動きも含まれます。 一方、小宇宙とされる人間の身体でも、ほぼ一定のリズムで心拍がみられます。 しかし、多少早くなったり遅くなったりして、リズムが揺らいでいるのです。 つまり、「ゆらぎ」とは、規則的なリズムが続いている現象に、多少不規則なリズムが合わさったものと言えましょう。 ゆらぎの現象は、森羅万象に存在します。 以下の表に示したように、驚くほど多岐にわたるものなのです。 2. 脈拍のゆらぎでわかるリラックスレベル ~副交感神経とゆらぎ あなたの呼吸と脈はどのような状況でしょうか。 そのリズムや深さ、大きさは一定ではなく、ゆらいでいますね。 実は、この脈拍のゆらぎを測定することで、その人がどの程度リラックスしているかを診断することが可能なのです。 ◆脈拍のゆらぎとリラックスレベル ヒトが呼吸しているとき、心臓に還ってくる血液量は時々刻々と変化します。 そこでヒトの身体は、心拍出量を変化させるため瞬時に対応して、脈拍を微妙に変えているのです。 ●リラックスしているとき…脈拍のゆらぎは大きくなる もしあなたが夕食を終えて自宅でリラックスしている場合、副交感神経が優位なので揺らぎの程度が大きくなります。これは正常反応です。 ●緊張しているとき…脈拍のゆらぎは小さくなる...
もし夜空に星や月が無く、夜がただ暗闇だけの世界であったとしたら・・・私達の暮らしはどれほど違っていたでしょうか。 星空や月夜 星が瞬き、月が静かに輝く夜は、古来より人々にとって幻想的で神秘的な存在でした。この美しい夜空は、私たちの日常の一部でありながら、どこか別世界へと誘ってくれるような魅力を放っています。 音楽の世界でも、17世紀末から18世紀にかけて活躍したJ.S.バッハをはじめ、19世紀末に印象派の新境地を開いたクロード・ドビュッシーなど、数多くの音楽家たちも夜や星空からインスピレーションを得て、その神秘的な美しさや静けさを音楽の中に表現してきました。 電気もなく、照明の限られた時代において、夜の時間は現代よりも暗く、そして長く感じられたと想像されます。月明かりや星空は今よりずっと大切で身近な存在だったことでしょう。 夜空に輝く星を見上げて人々が想い描いた神話や伝説は遥か遠い昔から何世代にも渡って語り継がれ、また月の満ち欠けに自然や生命の神秘を感じ願いや祈りが捧げられてきました。 音楽作品への影響 このような人々の営みはバロックからロマン派、さらには印象派と音楽の流派が変遷する中で様々な音楽作品に影響を与えてきました。 「月」や「夢」、「夜」などをテーマにした作品は時代を問わず数多く生みだされ、それらはただの美しい旋律というだけでなく、聴く人の心に安らぎを与え、夜の静寂にふさわしい深い情緒をもたらすものでもありました。 例えば、バッハの「ゴルトベルク変奏曲」は、その象徴的な作品の一つです。この作品は、不眠症に悩んでいたロシア大使のカイザーリンク伯爵のために作曲されたとされています。 若きチェンバロ奏者ヨハン・ゴットリープ・ゴルトベルクが夜毎に演奏し、伯爵が安らかな眠りに就く手助けをしたという逸話が残っており、ゴルトベルク変奏曲は古くから「眠りを誘う音楽」として親しまれてきました。 このエピソードを知ると、バッハが音楽によって不眠に悩む人々を癒やしたという事実が、現代の音楽療法の先駆けであったとも感じられます。 人の心理に音楽が与える影響 古来、音楽が人の心理に影響を与えることが経験としてわかっていましたが、これを研究し体系化したものが「音楽療法」です。近年ますます注目を集め、医療や福祉の分野で幅広く活用されています。 本作に収録されている楽曲も、こうした音楽療法的な効果を意識して選ばれています。特に「ハープ」と「チェロ」という2つの楽器は、夜の静けさを引き立てるとともに、リスナーの心身を深いリラクゼーションへと誘います。 また、本作の監修を務める音楽療法の専門家でもある 板東 浩 医学博士 は、ハープとチェロが持つ特性について、「ハープの高周波成分は感情や創造性に関わる右脳を刺激する。一方、チェロには低周波成分が多く、分析や論理的思考に関連する左脳の活動を高める。」と解説しています。 ハープとチェロの音色...
あなたがJAZZで聴きたい楽曲は? ジャズの世界では「スタンダード・ナンバー」という言葉があります。これは、多くのアーティストによって演奏され、一般的に広く知られている楽曲を指します。日本語では「定番」と訳されることも多く、アメリカで生まれたジャズの伝統の中で、スタンダード・ナンバーは重要な位置を占めています。 ジャズは、即興演奏がその本質と言われることがありますが、スタンダード・ナンバーはその即興のベース(題材)として多くのジャズメンに愛され、演奏され続けてきました。 これらの曲は、ジャズの歴史においても、現代でも、演奏するアーティストによる解釈を通じて、常に新しい形で生まれ変わっています。 どのような楽曲がスタンダード・ナンバー? では、どのような楽曲がスタンダード・ナンバーとして広く知られているのでしょうか? 海外のジャズメンたちがモチーフとしてきたもののひとつに映画音楽が挙げられます。 マイルス・デイヴィスやビル・エヴァンス、オスカー・ピーターソンらが取り上げた「Someday My Prince Will Come(いつか王子様が)」(白雪姫のテーマ)や、ジョン・コルトレーンが取り上げた「My Favorite Things(私のお気に入り)」(サウンド・オブ・ミュージックの楽曲)など、これらの楽曲は映画の世界で生まれながら、ジャズによって新たな命を吹き込まれています。 情感豊かで耳に残りやすい映画音楽が即興演奏の場であるジャズにおいてまた新たな美しい旋律となり、多くの人々に愛されてきました。 このような背景にはアメリカでの映画という娯楽の発展との関係が無縁ではありません。 アメリカでのアカデミー賞(アメリカ映画の健全な発展を目的に、出演者や制作陣を表彰し讃えるための映画芸術科学アカデミーによる映画賞)は第1回が1929年(昭和4年)に開催されており、時にマイルス・デイヴィスは3歳、『白雪姫』の映画で「いつか王子様が」が録音された1937年でもマイルス・デイヴィスは11歳でした。 普段からの馴染みがないと少し難しく感じるかもしれないジャズですが、有名なジャズメンたちも若いころに好きな映画の曲があって、その好きという想いに従って自分たちの表現でカヴァーしたものがスタンダード・ナンバーとして聴き継がれている、という流れを知るとジャズの世界もより身近に感じられるかもしれません。 日本での定番曲、スタンダード曲 一方で、日本でも黒澤明監督による1954年の『七人の侍』や、同年の『ゴジラ』など戦後に改めて娯楽映画は大きく発展しました。 その中の映画音楽ということで言えば特に後者『ゴジラ』での伊福部昭によるテーマ曲はゴジラシリーズの根強い人気を支える大きな要素の一つとも言えるでしょう。しかし、そのテーマ曲もアメリカでのスタンダード・ナンバーのようにはジャズやその他ジャンルでカヴァーされてきたわけではありません。 また昭和後期や平成の時代には、テレビドラマの主題歌が国民的に大きな影響力を持っていました。 1980年代から現在まで、日本の音楽文化において、テレビドラマの主題歌やその合間に繰り返し流されるCM曲は、人々に広く親しまれる存在となり、それらの楽曲はやがてカヴァーされ、定番曲となっていきました。...