コーヒーにはエスプレッソ、ドリップ、フレンチプレスなど、さまざまな種類と淹れ方があります。それぞれに個性があり、人によって好みも異なります。しかし、「リラクゼーションに本当に向いているコーヒー」とはどのような一杯なのでしょうか?
心と体を癒やすコーヒーの選び方と淹れ方を、濃度や味わいを客観的に分析した視点から紐解いていきます。
前提:コーヒーの心地よい濃度とは?
コーヒーには科学的に証明されている「心地よい濃度」が存在します。バリスタは「TDS(Total Dissolved Solids)」という濃度指標を使い、水100%の中にどれだけのコーヒー成分が溶け込んでいるかを計測します。
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●ドリップコーヒーの理想的なTDS範囲:1.0〜1.7%
この範囲内で抽出されたコーヒーは、ほとんどの人が心地よく感じると言われています。
コーヒーの成分は1杯の中にこのように1%ほどとほんのわずかしか含まれていませんが、わずか0.1%の違いが味わいに大きな影響を与えます。例えば、1.0%の濃度では「薄い」と感じる人がいる一方で、1.5%では「濃すぎて飲めない」と感じる人もいます。この絶妙なバランスが、コーヒーの「心地よさ」を左右するのです。
↑コーヒーの濃度を計る専用の器具。TDS計。
心地よいコーヒーを淹れるためのポイント
1. 焙煎度合い:極端すぎない中煎りがおすすめ
コーヒー豆の焙煎度合いは味わいに大きな影響を与えます。
リラックスするためには極端すぎない味わい、強い酸味、苦味を避けるべきですね。
その点中煎りが特に自分で抽出することに慣れていない方にはおすすめです。
各焙煎度合いの特徴を下記にリストアップします。
- ●深煎り:濃度を濃くしないと薄く物足りないが、濃度を上げると苦味も伴う。
●浅煎り:酸味が強くなりがち。特に初心者には取り扱いが難しい。
●中煎り:酸味と苦味のバランスが取れ、飲みやすく初心者にもおすすめ。
焙煎度合いが極端でないことが、「飲みやすいコーヒー」の第一歩です。
2. 抽出の黄金比: 1:16を基準に。もしくはよりライトな味わいの1:17〜1:18を試そう
コーヒーの濃度は水と豆の量の比率、そして豆の挽き目で決まります。
- ●おすすめの比率: コーヒー豆1:水16
例)コーヒー豆15gに対し、お湯240g
●よりライトにしたかったら: 1:17~1:18の比率を試してみてください。
例)15gの豆に対し、255g~270gのお湯
●挽き目:中挽き~荒挽き
比率を少し調整することで、より軽やかで飲みやすいコーヒーに仕上がります。コーヒーの濃度はわずかな調整で大きく変わるため、ぜひ自分好みのバランスを見つけてください。
上記の比率で抽出をすれば前述の濃度(TDS)1.0%~1.2%あたりになるはずです。
3. 湯温:温度計がなくても大丈夫
挽き目に比べると抽出する成分に大きく作用しない要素の「温度」ですが、飲み始めの温度はとても大切です。落ち着いてコーヒーを飲みたい時はやや低めの温度で抽出することによって、心地よい温度ですぐにコーヒーを楽しめます。
理想的な湯温は90℃前後です。温度計がない場合は以下の方法でも調整できます。
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● 温度調整のコツ:
沸騰させたお湯を一度抽出用のケトルやポットに移し替えると、およそ10℃ほど温度が下がります。これで90℃付近の温度帯になります!
4. 香りでリラックス
コーヒーの香りにはリラックス効果があり、香りの種類によって得られる感覚も異なります。
- ●朝におすすめ:エチオピア産コーヒー
華やかでフローラルなアロマが特徴。。
●夜におすすめ:ブラジル産コーヒー
ナッツやチョコレートのような香りが心を落ち着かせ、静かにリラックス効果をもたらします。
●特別な一杯:ゲイシャ品種
「Geisha」というコーヒー豆の多くは、ジャスミンなど豪華でフローラルな 香が特徴的。特別な日や、自分を労わりたい日にぜひ試してみてください。その優雅な香りと味わいは、贅沢なリラックスタイムを演出します。
まとめ:心地よい一杯を毎日の癒やしに
リラックスに最適な「飲みやすいコーヒー」を作るためには、科学的根拠に基づいた抽出のポイントを押さえることが大切です。
- ●焙煎度合い:中煎りを選ぶ
- ●抽出比率:1:16(やや軽やかにするなら1:17〜1:18)
- ●挽き目:中挽き~荒挽き
- ●お湯の温度:約90℃(温度計がなければ湯を移し替える)
- ●香り:朝はエチオピア、夜はブラジル、特別な日はゲイシャ
毎日のコーヒー習慣に、少しだけこだわりを加えることで、あなたの日常がより豊かで落ち着いたものになるはずです。今日から、科学的に「心地よい一杯」を淹れる時間を楽しんでみませんか?
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文:RELAX WORLD 編集部