2024.05.08

睡眠のためのコーヒー学-カフェイン編|カフェインを含まない「デカフェ」|焙煎度合いは関係ある?|カフェイン含有率の低い品種

睡眠のためのコーヒー学-カフェイン編|カフェインを含まない「デカフェ」|焙煎度合いは関係ある?|カフェイン含有率の低い品種

「睡眠とコーヒー」の関係において、まず懸念されることは「カフェイン」でしょう。

プロの間でも見解や認識の違いが多く、難しいテーマのように感じます。カフェインに敏感な体質な人やそうでない方も、コーヒーを飲めば必ず体に作用してしまいます。

質の良い睡眠と楽しいコーヒータイムを両立させるために「コーヒーとカフェイン」について正しい知識をつけましょう!

 

1.カフェインを含まない「デカフェコーヒー」

―おいしく飲めるデカフェの見分け方

カフェインを含まない(少ない)コーヒー豆として「デカフェ」がありますが、「味が薄い」「味が劣る」のようなマイナスな印象はありませんか?

それはデカフェを製造する工程で、カフェイン以外にもコーヒーのあらゆる成分を豆から一度抜く必要がある為です。

しかし現代のコーヒー屋さんでは、デカフェ処理がされていても、普通のコーヒーと変わらず味わい深いデカフェを取り扱うお店が増えています。

 

 

 

では、「質の高いデカフェ」とはどういうものがあるでしょうか。

日本では大抵以下の二種ががそれに当てはまります。

 

(A) スイスウォータープロセス

(B) 超臨界二酸化炭素抽出法

 

(A) スイスウォータープロセス

カナダバンクーバーに本社を置くスイスウォータープロセス社が生産するデカフェは「水」のみを原料としてカフェインを除去。

99.9%のカフェインが除去されているにもかかわらず、豊かなフレーバーと酸を残すプロセス。

詳細はこちら

 

 

(B) 超臨界二酸化炭素抽出法

日本国内でも行われている製法。

日本国内で処理されたコーヒーはより新鮮な状態で仕入れやすい。

化学的な超臨界状態を作り出してカフェインを除去するため、こちらも薬品は一切不使用

詳細はこちら

体にも優しく、美味しいデカフェコーヒーは上記の製法が取られている物を選ぶと良いでしょう。

お店でバリスタさんに聞いてみるのもいいですね!!

 

 

2.コーヒーの焙煎度合いとカフェイン量

ー「浅煎りの方が良く眠れる」はウソ!?

 

 

 

焙煎度合いを示すキーワードに「浅煎り」「中煎り」「深煎り」などがあります。

これはステーキの焼き加減の「レア」「ミディアム」「ウェルダン」と同様のイメージです。

同じコーヒーでも、浅く焼くと酸が際立ち、深めに焼くとよりコクや苦みが強まる、というように焙煎度合いで味わいが変化します。

 

 

●コーヒーの苦味はカフェインの味ではない!

よく誤解されやすい点は「コーヒーの苦み=カフェインの味」という考えです。

カフェインはテクスチャ(口当たり)やボディ感(コク)には影響しますが、コーヒーの苦みの原因は、焙煎で豆を焦がしてしまう事にあります。

ですので、浅煎りの爽やかなコーヒーも、苦みのあるコーヒーと同様にカフェインを含んでいるという事です。

カフェインの含有量は焙煎度合いでは変化しないので、「夜飲むには浅煎りの方が良く眠れる」といった考えは間違いにあたりますね。

 

 

 

3.コーヒーの品種とカフェイン含有率

―アラビカ種とロブスタ種

 

 

ワインに「シャルドネ」「ピノ・ノワール」という品種があるように、コーヒーにも様々な品種があります。

カフェインの含有量はその品種によって自然由来で異なり、品種はかなり大きい枠で分けると「アラビカ」「ロブスタ」の2種類です。

 

 

●アラビカ種

スペシャルティコーヒーという品質の高いグレードのお豆として販売されることも多く、味わいはロブスタよりも優れているものが多い。

 

 

●ロブスタ種

一般的に安価で、大味。強い味わいから、イタリアンバル系のお店で好んで使われることがある。

アラビカ種と比べるとカフェインの含有量は約2倍

 

 

【注目!】カフェインが少ないLaurina種

近年注目されているアラビカ種の系統で、Laurina(ラウリーナ/ローリーナ)種があります。この品種は元々カフェインの含有量が通常のアラビカ種の半分ほどです。

実はこのLaurina種は2018年のハンドドリップの世界チャンピオンが使用したお豆でもあり、カフェインが少ないのに非常に優れた味わいをもっているのです。国内でも稀に販売されることがありますのでぜひ試してみてください。

 

 

 

まとめ-おやすみ前でもカフェタイムを楽しめる!

  • 上質なデカフェコーヒーで、睡眠前でも美味しくコーヒーを楽しめる

  • スイスウォータープロセス・超臨界二酸化炭素抽出法、Laurina種が体にも害のないデカフェコーヒー豆

  • "苦み=カフェイン”ではないので、焙煎度合いの違いはカフェインの含有率に影響しない

  • ロブスタ種はカフェインが多いため、繊細な体質のひとは注意

     

     

バリスタ・安田直樹が教える

美味しいコーヒーの淹れ方(初級編)

 

 

Q.おススメの湯温は?

 

浅煎り・中煎り→90℃以上

深煎り→80℃

 

湯温が高いほど、味を抽出する力が強いため、苦みの強い深煎りは比較的低温で抽出すると優しい味わいになります。

 

 

Q.挽き目は?

ドリップコーヒー→まずは中挽きで!!

挽き目が細かくなるほど、味が出やすくなります。「濃い」と思ったら「荒挽き」、「薄い」と感じたら「細挽き」にすると丁度よいです。

 

Q.豆とお湯はどれくらい使えばいいの?

1杯分作るのであれば、豆15g:お湯250gでやってみましょう!

2杯分必要であれば、単純に倍量使用すれば問題ないです。

 

 

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今回のおすすめ音楽

Coffee Music -Relax Chill Jazz-

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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その他の各種サービスでの試聴はこちらから♪

https://lnk.to/oH4WuUqi41

  

 

お洒落なカフェ&ボッサで日本のカフェミュージック・シーンを牽引する代表的アーティスト“JAZZ PARADISE”によるJAZZ BGM作品『Coffee Music -Relax Chill Jazz-』。

心地よい音楽で心を和ませて、穏やかな癒しのひと時をお過ごしください。

 

 

 

 

安田直樹

バリスタ・焙煎士

映像ディレクター

【経歴】
東京都台東区出身。映画”SAW”の監督出身、オーストラリアRMIT大学にて映画製作を学ぶ。在学中にバイトで始めたバリスタ業に陶酔し卒業後はコーヒーの道へ進む。帰国後、TokyoCoffeeFestival主催の会社に就職し、バリスタ業、イベント主催、新規店舗立ち上げに従事。その後デンマーク・LaCabraCoffeeに転職しアジア人初のバリスタとして本店で勤務、ドバイ店の立ち上げ等にも携わる。

2020年に独立。

東京都台東区の築150年の廃銭湯を、焙煎所兼、喫茶店にリニューアルしたrebon kaisaiyuを企画立案から、コーヒーと自家製アイスクリームのマリアージュセットを始め、全メニューの監修とスタッフトレーニング。OZマガジンやZip、読売新聞などの多数のメディアに取り上げられる。Web用写真や、イベントの企画にも携わる。2021年からはデザイン、CM製作、広報、イベント企画、ライブ配信など店舗やブランドのトータルしたコンテンツの製作を行っています。



プロフィールHP:naoki.post.pro

映像ポートフォリオ:https://vimeo.com/naokinathan

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