「睡眠力をあげる秋のコツについて」
音楽・色彩といった芸術と、我々の心身に関する様々なトピックについてお伝えします。
心身の健康は、質の良い睡眠につながります。芸術と健康について学び、ぜひ、より良い眠りに役立ててください。
1.様々な青色(アズール)~スポーツから医療、化粧まで
◆サッカーチームの名前の由来
まずはクイズから。
「アズール」と聞くと、何か思いつくことがありますか?
ヒントは、青い色でスポーツに関係あり。
推測できる答えとして、青いユニフォームを纏ったサッカーイタリア代表の愛称である「アッズーリ」があります。
Azzurri とは azzurro(青色)の複数形のことです。
◆うがいや薬や化粧にも使われてきた青色(アズール)
さらに、「アズール」は医学や医療にも関連がみられます。
血液の検査で、白血球の中に青~赤紫色に染まるアズール顆粒が存在します。
また、最近は統合医療が注目されており、
広く受け入れられているのが音楽療法やアロマセラピー。
カモミールなどのハーブを加熱蒸留すると、青く色づいた精油が得られ、この成分はアズレン(Azulene)です(azul=青い、スペイン語)。
抗菌作用や抗炎症作用が古くから知られ、民間薬として活用されてきました。
青色のアズレンについて、アズノールうがい薬が有名です。
胃薬では、Margen(マーゲン、胃、ドイツ語)にAzuleneが働きかけるため、Marzulene(マーズレン)と命名。
副作用が稀であり、肌の炎症をおさえる化粧品や石鹸、入浴剤にも広く使われています。
2.藍の持つ癒やしのパワー
◆病気を遠ざける薬草~消毒・解熱・防虫効果のある“藍”
もう一つクイズです。
青~藍色の植物由来物質で、薬にも消毒にも効果があり、経済的にもパワーがあるものとは?
ヒントは筆者が生まれ育った徳島県。
答えは「藍」です。
徳島は藍の産地として知られ、江戸時代から明治初期には全国に藍が広く普及し、徳島は全国トップ10の経済力を誇ったとされます。
藍 (indigo)は薬草で、殺菌、解毒、解熱効果があり、染めた衣服で皮膚病や毒虫を防御。
そのため、「藍職人は病気知らず」とまで言われました。
◆スポーツチームの名前にも使われる“藍(インディゴ)”
現在、プロ野球独立リーグの四国アイランドリーグplusで「徳島インディゴソックス(Tokushima Indigo Socks)」が活躍しています。
また、サッカーについて、四国初のJ1クラブが「徳島ヴォルティス」。
チーム名称の「ヴォルティス」(Vortis)は、イタリア語の渦「Vortice」や、英語の渦(vortex)に由来することに。
支えているのが医薬品会社の世界企業の大塚製薬です。
3.苦しい心に寄り添ってくれる音楽の力
◆音楽の“同調の原理”~心の状態に共鳴して癒やす~
最後に、音楽の話題を。
人には情動や感情、感性があります。
誰もがいろいろなストレスで落ち込んだりすることも。
長期に続いて「うつ状態」になると困ります。
そのようなとき、心と同じような曲調を有する曲を聞いて、心を同調し共鳴させるといいのです。
これを「同質の原理」と呼びます。
気持ちが落ち込んで憂鬱な気分なとき、あなたはどのような色をイメージしますか?
ブルーな気分なので、青色かも。
こげ茶とか黒色、灰色かもしれません。
でも、赤やピンク、オレンジ色ではないでしょうね。
◆各国の民族音楽が持つ“悲しげな曲調”の癒やし
各国の民衆音楽として、
日本には演歌、フランスにはシャンソン、北米や南米にはジャズやブルースが挙げられます。
いずれも、人間が感じる悲しみや苦しみの心に寄り添い、同調し癒やしてくれる作用を持ちます。
ブルースの特徴は、ドレミファソラシドの音階で、ミ・ソ・シの3つの音に♭がついて半音下がること。
この微妙なマイナー(短調)の曲調が大切なポイントなのです。
◆音楽のパワーを生活に取り入れ、健康に
音楽によって心を和ませ癒やすのは、音楽のパワーを用いる治療といえます。
温泉における「源泉かけ流し」のように、毎日心に暖かく働きかける音楽で心をトリートメントしてほしいものです。
英語なら「Sound treatment everyday」となるでしょう。
さいごに、秋にぴったりの癒やしの音楽&映像をご紹介します。
画像タップで YouTube 試聴。
その他の配信サービスは コチラ から。
TBS系全国放送でもとりあげられたほか、同シリーズのアルバムが雑誌『anan』でも紹介されました。
電車に乗っている時に感じる心地よさを気軽に体感できる、究極のヒーリング作品です。
みなさま、電車音でリラックスを!
板東浩
医学博士
日本統合医療学会四国支部長
徳島県糖質制限研究会代表
徳島大学卒業、ECFMG資格取得後、米国でfamily medicineを臨床研修。専門領域はアンチエイジング、糖質制限、音楽療法、スポーツ医学など。アイススケート選手として国体出場(1999 ~ 2003)。第9回日本音楽療法学会大会長(2009)。第3回ヨーロッパ国際ピアノコンクール(EIPIC)in Japan銀賞(2012)。日本プライマリ・ケア連合学会大会長(2017、高松)。
糖尿病関係の英文医学雑誌4誌のEditor-in-Chief(編集長,2024)。著書30冊以上、印刷物2,000以上、英語論文300以上。「新老人の会」徳島代表。
公式サイト:https://pianomed.org/